宮崎県での口蹄疫の発生を受けて、今年度のJASV総会は総会報告会、記念講演を中止させていただき、7月16日(金)午後1時30分より東京・八重洲ホールにおいて、正会員による通常総会の開催だけとさせていただきました。
総会では、2009年度事業報告、2010年度事業計画を原案通り可決した後、役員改選に伴い今期より大井宗孝理事(許L浦獣医科クリニック・神奈川県)が代表理事を務めることになりました。なお、理事・監事の変更はありません。
今年度の主な事業計画は下記の通りです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本年度総会に集まった正会員(前列が役員)
日本養豚開業獣医師協会(JASV)第8期事業計画
昨年はAPVSを日本で開催したため日程的にも時間的にも制約が有ってJASV独自の活動が思うようにできない状況でした。今年度は例年どおりの活発な活動が出来ると考えていた矢先の宮崎での口蹄疫発生でした。これを受けて今年度の事業活動も縮小を余儀なくされています。口蹄疫の状況が流動的であることから今後も予定変更の可能性はありますが以下のとおりの事業を計画しています。
特に重点事項として、JASVは養豚という限られた分野の臨床獣医師として、現場に密着した経験や知識、情報、技術を行政施策に役立てるような政策的取り組みや、自らの経営基盤を確立し後継養豚獣医師を育てる取り組みを強化したいと考えています。
これらを推進する事が国産豚肉の競争力アップにつながると確信しています。
1、宮崎県の口蹄疫復興に関わる事業
今回の口蹄疫の経験を無駄にしないために、国、県、生産者、獣医師など業界に関わる人たちが参集し今後の復興も含めてシンポジウムなどを開催する。その他、口蹄疫からの復興に対してあらゆる支援を検討する。
2、病性鑑定事業
麻布大学PCCの協力のもとで実施している病性鑑定事業を今年度も引き続き実施する。また今年度も第4回病性鑑定症例検討会を麻布大学で実施する。
2、ベンチマーキング事業
日本の養豚生産データを一元化し、生産性向上に寄与する目的で実施しているベンチマーキング事業を、今年度も継続実施する。毎年、会員への結果報告が秋になっているので結果報告をなるべく早くする方向で検討する。
3、会員の研究発表 学術講演会の開催に関する事業
今年度新たに計画している事業として、11月22日つくば国際会議場大ホールにて日本豚病研究会、日本豚病臨床研究会およびJASVの共催という形で研究集会を開催することになっている。“基礎から現場まで”をスローガンに、養豚業界で活動する獣医師、技術者が一同に会し、情報交換を行う。その他例年どおり、3月に衛生セミナーを開催する。
4、機関誌の発行
10月および4月の年2回、機関誌を発行する。
5、農場HACCPへの取り組み
農水省から農場HACCPの認証基準が出された事で、より食品としての豚肉の安全性を高め、消費者の理解を得るための農場HACCP導入の必要性が高まっている。養豚管理獣医師がそこに関与していくことは重要な責務であると考え、農場HACCP関連の事業を積極的に行う。
6、国民に対する養豚獣医師医療等に関する情報の提供
一般消費者に対する情報提供に加え養豚関係者、さらには養豚獣医師をめざす獣医師や学生への情報提供の質を向上させるために、ホームページを強化する。正会員が今までに投稿した記事を、順次ホームページ上で紹介する。また、賛助会員とリンクすることで内容の拡大化を図る。
7、京都府立大学が実施する“PRRSV細胞性免疫確立豚(ピンク豚)の特定法開発”という研究に対し2008年度に引き続き2010年度も助成する。
8.その他本法人の目的を達成するために必要な事業
1)農林水産省との意見交換会
年2回開催予定。
2)賛助会員との意見交換会
賛助会員とJASV正会員との意見交換会を、今年度も実施する。
3)獣医学部学生の実習受け入れおよび大学への講師派遣
獣医学部学生の実習に関しては従来から行ってきたが、本年度も引き続き積極的な受け入れを行う。また、「産業動物獣医師就業研修事業」(中央畜産会と日本獣医師会)の豚部門の受け入れ団体として協力する。また各大学から講師依頼があった場合は、積極的にその依頼にこたえるものとする。
4)今後の養豚獣医療を考える
養豚獣医師育成、農場定期訪問制度…農場にとって有用な養豚獣医師とは
診療所経営…診療所の健全な経営
養豚獣医師互助制度…家畜伝染病等で診療活動休止時の補償
抗菌剤の適正な慎重使用指示書の適正化。
農場HACCPを含めた定期農場訪問
2010年度は事業計画の推進をより強力に推し進めるために事業ごとに委員を募り、委員会として活動を活発化させていと考えています。