平成20年1月21日、東京・有楽町の東京国際フォーラム会議室において、第4回アジア養豚獣医学会(APVS2009)開催についての記者発表会を開催いたしました。農畜産分野の新聞、獣医療および養豚の専門誌など12媒体の記者の皆さんに出席いただき、柏崎大会長はじめ実行委員から、APVS設立の趣旨および日本誘致への経緯、日本での開催を機に、この学会を養豚獣医療と産業の現場を結びつける場にしたいという主催者としての意図を説明しました。実行委員会としてはこの記者会見における“所信表明”を本格的な準備活動のスタートと位置づけ、プログラムをはじめ具体的作業に弾みをつけていく考えです。関係各位のご協力をあらためてお願い申し上げる次第です。JASVからも副会長を務める石川代表理事と実行委員の大井理事が出席しました。
会見は、久保実行委員長の進行で進められ、柏崎大会長の挨拶、栗原、岩村両副会長からの共催団体としての共催趣旨の説明、石川副会長による会の設立から日本誘致にいたった経過説明を行ったあと、記者からの質問に答えました。
柏崎大会長は、APVSが、こうした学会にありがちな基礎研究の発表の場にとどまらず、生産現場に根ざした研究成果を、獣医療関係者はもとより、生産者も含め関連各分野で共有する場であるという認識を示したうえで、「2009年10月、APVS開催の週を“ナショナルピッグウィーク”と位置づけて、これを契機に養豚産業を盛り上げていきたい」と抱負を語りました。これは、APVS共催団体の関連集会、セミナーの併催以外に、生産者団体の主催するセミナーなどを学会日程に絡めて開催することで、1人でも多く、とくに生産者の参加を呼びかけるものです。
一方、栗原副大会長(日本養豚学会)は、「獣医療と畜産は切っても切れない関係であり、喜んで共催させていただくことになった。会期中に秋の養豚学会を併催し、大会を盛り上げていきたい。これを機に、日本の養豚がさらに盛んになればと希望している」と、また岩村副大会長(日本SPF豚研究会)は、「SPF豚は国内で10%のシェアをもつ生産体系の確立された生産者の団体。研究会としてAPVSに積極的に参加するなかで、SPF豚の生産体系をアピールできればと思っている」などと、共催団体としての抱負を述べました。
石川副大会長(日本養豚開業獣医師協会)は、昨年、中国の武漢で開催された第3回APVSの閉会セレモニーで次回開催国としてプレゼンテーションしたときのスライドを再現しながら説明が行われました。このなかでは、つくばの会場をはじめ動衛研はじめ周辺の研究施設、筑波山など観光スポットなどが、日本開催のテーマなどとともに紹介されました。その最後のコマでは故・豊浦雅次獣医師の写真が映し出され、「そもそもAPVSは、日韓で口蹄疫が発生したあと、養豚獣医師の草分け的存在だった豊浦先生と、韓国のJeong先生との交友のなかから構想がもち上がったもの。本来なら第1回の韓国に続いて日本で開催すべきところだったが、ようやく4回目で開催できることになり、感慨深いものがある」など、APVS設立の秘話も語られました。また、石川副会長は、記者から”養豚獣医診断技術向上のために”をメインテーマとした意図を尋ねられたのに対して、「欧米では既に撲滅された病気で、アジアではこれから対応していかなければならない病気がある。そうした病気の対応において、まず重要なのが診断技術だろうと考えた」と答えました。
実行委員会としては、今後も、プログラムの確定や参加者募集の開始など、時機を見ながら記者会見やプレスリリース、ホームページ等を通じて情報提供を行っていきたいと考えています。
■記者会見への主催者側参加者
・大 会 長 |
柏崎 守(日本豚病研究会 会長 元家畜試験場場長) |
・副大会長 |
石川弘道(日本養豚開業獣医師協会 代表理事) |
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栗原良雄(日本養豚学会 会長 元東京農業大学教授) |
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岩村祥吉(日本SPF豚研究会 会長 動物衛生研究所) |
・実行委員長 |
久保正法(動物衛生研究所) |
・実行委員
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恒光 裕(動物衛生研究所)、芝原友幸(動物衛生研究所)、高田良三(畜産草地研究所)、大井宗孝(日本養豚開業獣医師協会)、矢原芳博(日本豚病臨床研究会 |
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