日本養豚開業獣医師協会(JASV

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【麻布大学で第1回豚病症例検討会を開催】
 
   
     JASVの主要な事業として麻布大学のPCC協力のもと実施している病性鑑定事業ですが、2007年9月29日、麻布大学獣学部において第1回豚病症例検討会を開催しました。これは今までに提出された症例を元に、依頼者(JASV獣医師)から検体の背景、臨床診断などの発表の後、PCC(麻布大学側)の先生から検査結果についての報告とコメントをいただき、その後質疑応答を行って、病性鑑定事業を現場の臨床により生かしていこうとするものです。アドバイザーとして動衛研の久保先生にも参加をお願いしました。
  また、麻布大学獣医学部環境保健学科の森田先生の研究グループとJASVの協力により実施している、「豚由来E型肝炎ウイルスの環境挙動に関する研究」の一部が発表されました。
  衛生セミナーとは違った初めての検討会という形式でしたが、当日は、JASV会員と麻布大学の教官、学生、約70名の参加があり、提出検体に対し熱心な討議が行われました。その概要は以下のとおりです。


《豚病症例検討会概要》
症例1:志賀先生提出
  77日齢の離乳豚。離乳舎での呼吸器症状が多発し、死亡率が急上昇した農場での材料。病理組織所見はリンパ節でのリンパ球の減少、PCV2にいる封入体を確認。PCR検査では肺でPRRSウイルス陽性そけいリンパ節PCV2陽性で、サーコウイルス感染と診断した。

症例2:呉先生提出
  急激に離乳舎での事故率が上昇した農場で、PCVADを疑う豚2頭を放血殺した。組織所見は、肺で血管炎および間質性肺炎像を呈していた。免疫染色で肺、脾にPCV2抗原が確認された。血管炎および間質性肺炎の間質に細胞が浸潤していないため、浮腫病の疑いもある。脳や消化管などの材料があれば、究明できた症例。

症例3:呉先生提出
  死亡率1.2%の優良農場だが散発的に離乳子豚の突発死が認められ、PCV2の関与を確認するため、3頭を解剖した。1頭は典型的な化膿性髄膜炎像を呈し、連鎖球菌病と診断する。1頭は急激な心筋の壊死が認められることからマルベリーハート病が疑える。マルベリーハート病の場合、肝臓にも病変が認められるため、肝臓も忘れずに送る必要がある。PCV2の関与は否定できる。

症例4:呉先生提出
  離乳舎で特異的な神経症状を示した症例。過去にエンテロウイルス感染と診断されたことがある農場。今回の症例では非化膿性脳炎像が白質に認められたが、エンテロウイルスの場合は灰白質に認められることが多い。免疫染色でエンテロウイルスを証明できる。

症例5:村田知先生提出
  胃潰瘍をともなう子豚の衰弱死(PMWS様)の原因究明のため、材料を送付した。病理組織所見では胃潰瘍部位にリンパ球の浸潤が認められたが、PCV2は確認できなかった。原因究明には複数の検体を送付する必要があると思われた症例。


 
   
     
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